大学病院というところに入った事がなかったが、意外と普通の大きめの病院。でも院内ルールがさまざまにあり、私には何だか、ばかにされているような感じもする。
実は親知らずを抜きに来たのだ。なんだそれなら歯医者でいいじゃん、と思いそうだが、その歯医者さんが「こりゃまだ頭が肉から出ていないし、隣の歯にぶつかってるし、おまけに根っこが神経またいでる。ちゃんとした設備のあるところで手術しなきゃだめだよ」っておっしゃったのだ。
手術?…抜歯じゃなくて、手術なんだ…。というわけですこしでも痛くないようにするために(あたしは手術、注射、血なんて言う単語にめっぽう弱い、それに麻酔が効かないのは願い下げなので)少し前から酒を控え、その日は会社を休めるようにセッティングして、飯田橋の駅から見える大きな大学病院に向かったというわけだ。(とはいえ、打ち合わせ一件だけは入っていたのだが)あらかじめ先生には術後は痛いぞ、腫れるぞ、って脅かされている。病院に入るまでは憂うつの塊だった。
最近の麻酔って、なかなかよくできている。最初は歯茎に塗り薬のような形の表皮麻酔をしかけるのだ。それが効いてきた後で、例のぶっとい麻酔注射をする。いやなものはいやだが、麻酔注射自体の痛さは劇的に緩和されていた。
その後は何だかわかんないうちに、がりがり、とされ、そのうちにぐりぐり、次にぐいぐい、ってされてドリルがうなる音が聞こえて、手術は終わったようだ。感覚では多分二針縫ってもらったようだ。(バッテンなのかしら?)
出血が止まらない、とか神経関連の後遺症の心配が多分にあるという事で、さんざん脅かされ、自宅に還された。という言うわけで今日は夕方打ち合わせをする以外は寝ているしかないのだが、やはり結構痛い。あご周りの筋肉がつったりしているようで苦しいし、出血はなかなか止まらず、口の中が血だらけで鉄臭い。本でも読んでみようと思ったが、活字に集中する事も出来ない。
集中できずに無理やり本を見つめていると眠くなり、2時間ほど寝ると落ち着いてきたように思えるが、どうやら今度は麻酔が切れ始めたようだ。慌てて鎮痛剤を服用する。これでもう2時間ほど寝る事が出来、おかげで状態は快方に向かう。
夕方、ProfessionalDTPの田村氏が自宅まで連載の打ち合わせに来てくれ、1時間ほどお話したのが何か良いリハビリになったみたいだ。ずっとウィダーインゼリーのような流動食を食べつづけているのがよかったのかもしれない。(実はこれを予想して昨日はそばを5枚も食いだめして女房にあきれられていたのだ)だいぶ口周りが楽になった。
歯を食いしばる事さえしなければ、いけそうだったので、自宅で“久田”が使用しているiBookの不調になった、ハードディスクを交換する事にした。始めてみて気がついたのだが、あたしはiBookをバラすのは初めてだった。(何度もばらしたのはウォールストリートだった。あれはばらしやすかったけど、iBookは違う。ケースに入っているというのではなく、骨組みにハードディスクやCD-R、基盤が張り付き、その周りにアクリルを貼り付けた、というようなもので、順番を間違うと決して内部にアクセスできないようだ。以前聞いたばらし方を思い出しつつ、作業進行。開運なんでも探偵団を見ながらやっていたので2時間もかかって、結果、ビスが一本余った。ま、もう持ち歩きはしないので良いか、という事にして、結構疲れて寝る事にした。
というわけでこの日記は翌日に書いている。朝一に行ったお医者さんのお話では術後は順調、との事。めでたしめでたし。
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郡司さん来社
本日珍しいお客様がいらっしゃった。かのMD研究会を率いるマスター郡司さん。あたしをトリガー役にしてしまったための表敬訪問か?。じつはなぜsRGBにあたしがこだわるのか、その理由をきちんと知りたい、ってことだった。
トリガーになってしまった私の仕事としてsRGB擁護論を展開してしまったためらしいが、熱心な事です。
“switch on CMS”つまり、ディスプレイをキャリブレーションし、環境を整え、Photoshop CSで言えば「日本-JapanColor」を選択する。その上で印刷入稿のばあい AdobeRGBをスタンダードに、という部分では意見の一致を見た(と思う)。使える色域は広いほうがよかんべ、という意見にには疑問を挟む余地が無い。
sRGBで出来る事は AdobeRGBでも可能。ただ、いまだ AdobeRGBを見る事の出来るディスプレイが通常買える値段では存在していない、というのが私にとっては悩みの種。(少しは理解してもらえたかも。しかしうんとはうなずいてくれなかった)何も見ずにデータを渡してしまうのはどうにも心もとない。(プリンタで出してみるって言うてはあるんだろうけど、それまでわかんない、って言うのもなんだかなあ。でも今実際はプリンタ出力と数値の確認でやり過ごしている)
郡司さんの AdobeRGBをスタンダードに、という発言も当然 sRGBデータが印刷業界に流入してくる事をふまえた上でのことだ、とお聞きしてすっかり安心。丸め込まれちょうな気もするが、それはそれで構わない。スタンダード作りにはもちろん協力したい。
ただ、写真の本質は彩度だけではない。ここが印刷と違うところだろう。(印刷の色づくりってものすごい物がある。あたしたちには理解できないような、まさかそんな、って色の使い方をすることもあるのだ。)今更コロタイプの昔話を持ち出す気は無いが、まず、きちんとした諧調ありきなのだと今でも思っている。もちろん AdobeRGBでもそれは可能。 sRGBでも可能なのだ。記録に徹する写真であれば、ひたすら広いカラースペースが必要になるだろうが、違う写真もあるという事。通常の商業印刷に求められるのは「諧調こそが写真」ではなく、「印刷素材としての適性」なのだろう。仕事をする場所が違うのだから。
この一週間
ここのところ新潟づいている。今日は明日の結婚式の撮影のため、新潟入りの新幹線の中。この一週間も慌ただしかったので、まとめて日記を書こうと思っている。日記ってまとめて書いたら意味ないじゃん、とは思うのだが。
不思議な事
このところ新幹線に乗る事が多いのだが、なぜか、ウナギ弁当が東京駅で売っていない。アナゴはあるんだけれども、これはいったいなぜだろう? 地場の食品を大切にしようというのか、浜松のウナギ弁当協同組合の陰謀で東京でウナギを売ってはいかんというお達しがでたのか? 新幹線の中でウナギ弁当を食べるのが楽しみのあたしとしては何としても原因を追及したいところだ。どなたかご存知でしたら教えてください。
嬉しかった事
先日お客様のところに納品に言った際、そのすぐ隣の床屋で“おかく”そっくりの子が日なたぼっこをしていた事。つい携帯電話を取り出して、ガラスにへばりついて撮影してしまった。実はこの子の存在は“おかく”が生きていた頃から知ってはいたのだが、ここしばらく会う機会がなかったのだ。時間さえあれば、散髪してもらい、ゆっくりと遊んでいきたいところだったが、好事魔多し、で急いで帰り、別の画像処理をしなくてはいけないという緊急電話があったため、それは断念しなくてはならなかった。デモ初めて写真が撮れたので…
土曜日に神戸デジタル同好会の横島さんがご夫婦で遊びにこられた事。そんなにはゆっくりできなかったけれども、自宅近くのそば屋(尾張屋という、おかみさんが美人なことであたしたち夫婦の間では有名な店)でご一緒に夕食。それ自体も楽しい事だったが、彼はその前日に京都の笠井さんとお会いしたらしく、私がフリーBBSに書き込んだ件に(s/AdobeRGB論争。ほんとは論争でもなんでもないのだけれども)好意的な発言をいただいた事。笠井さんご自身の立場はともかく、必要な事をまじめにコメントしている、と評価していただいたのだ。(もっともまた聞きなので細かいニュアンスまではわからないけど)
20年近く前に岡谷のデパートを撮影に行っていた頃にいつも同行していたデザイナーさんから電話があり、(3年ぶりくらいの再会)お仕事をいただけたこと。少しタイトなスケジュールだったので、金曜日の夕方からという撮影になってしまったが、久しぶりに会う気心が知れた間で仕事をするのは楽しい。
憂うつな事。
奥歯(親知らず)の痛みは収まったが、また疲労が重なったりすると、いつでも再発する可能性があるとの事。大学病院まで行って切開、抜歯をしなくてはいけないという。実はそんな歯が2本もあるのだ。とにかく、一個は3月の初めに抜く事になった。
会社から破棄機処分になり、自宅にもちかえった“久田”用のiBookがとくちょくハードディスクからカラン、カラン、という音が聞こえるようになった。もっともその傾向がでてきたためにリタイヤさせたのだが、毎日1~2回はそんな症状になるようになってしまったのだ。“久田”はこれを家事、チケット取り、iTunesの取り込みと、彼女にとって家庭での大事な仕事に使用しているのでこれは危険だ。(もっとも突然ディスプレイがブラックアウトするという症状もあったのだが、これは非常時にはテレビを外部ディスプレイにする事で折り合いをつけた。)ハードディスク交換だけで治るのか知らん?やってみてだめだった時が一番心配だ。(このマシンはハードディスクのトラブルが多く、確かに回は交換しているので)実はこうして第一線では使えないけれどもまだ動く、というマシンはどんどん自宅に溜まる。電源部がイカレたPowerBookG3/233 やら 満身創痍のPM7600 など、秋葉原のジャンクや状態。
新しい機械。
6年以上うちのフラッグシッププリンタとして活躍してきたPictrography4000がついに引退する事になった。リース切れやら熱源像部にムラが出始めた事などが原因。ただ置いておいても場所ふさぎなのでリース会社に引き取ってもらい、そこに新たに PX 6000s が投入され、つい3日まえに納品された。OS X 環境だと、全てのマシンから直接アクセスしてプリントアウトできる。(特にサーバにつなぐ必要もない)もちろん直結しているマシンからもプリントアウト可能で、これは便利。スピードも顔料系にしてはそこそこ早く、大満足。見本プリントを作成する場合に、ちょうどよい用紙、設定がないのが少々残念だが、これはゆっくりと考えよう。(ピクトリコのプルーフペーパーが使用できるといいのだが、マット系の黒インクがどうやらはじかれてしまうようだ。)とにかくA2サイズを出力できて、A4ペーパーをトレイから給紙できる点は大いに評価したい。値段はPictrography4000の1/26という安さ。ランニングコストも1/8くらい。PM4000PX に比較しても、早く、動作が安定しており、インクタンクを取り換える手間がないのも魅力だ。ただグレイインキがないためか、シャドウ側の諧調がいきなり“しまる”のは困り者。といって7色印刷にすると、今度は黒インクが環境光によってふらついてしまう。そのうち時間が出来たら、マットインク+グレイインク+5色のインクでのテストをしてみたい。
AdobeRGB、sRGB論争
どさ回りのように新潟、東京、東京、仙台、東京とセミナーを続けてきた(セミナーこそしなかったが、途中に韓国行きも重なり)が、やっとここに来て一段落した。歯の痛みも治まり(でもまだ抜けてはいない。大学病院まで出向いて抜歯しなくてはいけないそうだ)とおもったら今度はハイデルさんのセミナーでのあたしの発言がトリガーとなって sRGB、AdobeRGB論争に火がついてしまったようだ。(この一件については前回の日記に書いておいたので読みたい方は、2/6の分を参照してくださいませ。)
問題はどちらのカラースペースを使うべきか、という本道とは少し違うところで論争されている。本道は“この際皆さんカラーマネージメントに乗っ取ってお仕事をしましょう”という事なのだが、どうもカラースペースも一つに決めないと迷うという意見が多数を占めているようだ。(これって結局「あたしはカラマネなんて理解もしたくないから具体的にどのスイッチを入れればいいのかその方法だけを教えて」、って言っているような物だと思う)
あたしの期待した形ではない論争なのだが、この際徹底的にやり合ってウミを出し切ってしまったほうがいいのかもしれない。さまざまな立場から、これが良い、という意見を聞けたら、そしてその根底にカラーマネージメントにのっとって、という但し書きが付いてきてくれたら良いなと思うのです。どういうところに落ち着くやら?
入稿形式はCMYKかRGBか、ってところでRGBに落ち着いたと思ったら、今度はRGBでもそれはsRGBか AdobeRGBか、ってところに焦点が移っちゃった。ある意味順当な順番ではあるけれども。個人的には印刷原稿としての入稿形式であれば、 AdobeRGBだろうと思う。ただし sRGBの入稿はどんなところから来るやもしれず、それにそっぽを向かず、正しく受け取ろう、というところで落ち着いてくれる事を願うばかり。
自分なりに整理してみた物を電塾のFree BBSに書き込みましたので、ご興味のある方はそちらも見てくださいませ。前回の日記に書いた事と重複している部分はありますけど。
ハイデルフォーラム
郡司さんとのカップリングで、ハイデルフォーラムに参加させていただいた。製版、印刷業界のかたがたにカメラマンは何を思って、どのような感覚でデジタルデータを作っているのか、カメラマンに何が出来て、何は出来ないのか(綺麗なRGBは作れても、CMYKデータを作成する準備、つまりドットゲインも印圧も、トーンリプロダクションやカラーリプロダクションの経験も通常はないのにそれをやらせないでくれ、ってこと)をお話するためにいったのだが、またもやあたしがsRGB論争をふっかけてしまったので、全く、いつになったらわかるんだ、という感じで早速まな板にあげられてしまった。
彼の言うこともよくわかるし、事実、私も通常は AdobeRGBを使用している。しかし、sRGBは、やはり世の中に氾濫しており、それを否定は出来ないと思ってしまう。うまく使えばなかなか使い勝手のある色域なのだ。しかもディスプレイで確認できるという大きなメリット(もちろんもともとディスプレイの色域を参考に作られたカラースペースだもの)は捨て難い。将来的にディスプレイの AdobeRGB化とともに、印刷の世界は AdobeRGBに収束していくとしても、当面はsRGBは残るだろう。
“高級印刷”はともかく、グッドインナフの印刷はsRGBで問題ない時代はしばらく続くとそれでもあたしは思うのだ。色域がコンシューマーでも構わんじゃないか。それだって十分な色再現は出来る。特に写真という物は諧調さえ、しっかりしており、色相がきちんと分離していれば、彩度は低めでも十分に立派な写真として成立するのだ。ちなみにあたしは高彩度をさほど必要としない絵柄を扱う事が多いという事も言えるだろうけど。
カメラマンにとって何が大事かって、それは与えられたカラースペース内できっちと諧調を再現し、色相を分離、再現する事で彩度は飛ばないように気をつける事なのだもの。私たちにとっては、sRGBも AdobeRGBも、どちらも使い勝手のある、パブリックで重要な色空間なのだ。色彩は常に相対的な対比の上になり立っているのだから、使用する色空間の中でバランスをとれればそれで素材としての役目を十分に果たすという事をいいたいわけで、なにもsRGBに固執しようというわけではない。(前にも書いたようにあたしもスタジオ内の仕事はほとんど AdobeRGBで行っているが、印刷会社の営業さんにどの色空間にしますか?とお訊ねし、口ごもった時はまよわずsRGBに変換して納品している)これはそう簡単に切り捨てられるべき物ではないという事なのだ。sRGBで入港されてきて、それでも AdobeRGBを使用したければプロファイル変換してシアングリーンとオレンジの彩度を引っぱり上げればいい。(もとデータが整っていればなんの問題もなく可能だ)それは印刷会社が選択してやればいいだけの事。標準化はカラースペースを固定する事ではなく、カラーマネージメントを流通させる事だとあたしは確信している。こんな事を書くとまた怒られるかしら?
だからといって私と郡司さんは仲が悪いわけではけっしてないし、嫌いなわけではない。(もちろん私は郡司さんを尊敬しているし、彼もそれなりにカメラマンに対して専門職にたいする敬意をきちんと払ってくれる)カラマネのもとでRGBワークフローを確率させよう、標準化を何とか制定しようという運動は全く同じ。ただ、彼は一つのカラースペースであるべきといい、あたしはどちらもありと唱えている。ま、そこが彼にとっては邪魔なんだろうけれどもね。
昨日から奥歯が痛み、やっとの思いで歯医者に行くと、静まるまでは手がつけられないという。とりあえず消炎剤と鎮痛剤。口内の消毒。後は酒を飲まず、風呂に入らず、静かにする事。でもあたしは毎日8時間はお話をしなくてはいけない。これはちと地獄。
ソウルそぞろ歩き
翌日は皆さん東京にかえってしまったが、私はもう一拍のこり、委君と韓国ソウル探索を楽しむ事になった。私にとってはい君との再会がもっとも思い出に残るソウルだった。
宿をでて、ぶらぶらと歩いて立派な二階建ての錦と葵色で塗りわけられた建物を見学。これPhotoshop CSの[ぼかし]フィルターで加工したのだが、こういう時はアルファチャンネルをもう少し細工しないといけない。カメラを構えているのが委君で、今日のソウル散策の出だしの写真。
その後、ソウルの骨董、書画、画廊などが集まる原宿のような場所を案内しもらい、いくつかの写真展を拝見する。4×5のネガを使って撮影された済州島の写真には感動があった。しかし多分アマチュアだと思われるが、Photoshop やペインターに作らされたという典型的な写真には閉口した。もちろん日本にもこの手の写真が氾濫した時代も確かにあったし、いまだにその傾向は払拭しきれていないのも確か。
お昼はもちろん古式のキムチをたんと乗せたご飯。出てくるのが水やお茶でなく(お茶はお金を払ってのむ)お米の香ばしい香りのするお湯なのも嬉しい。
その後市場を見学。その雑踏の凄さは最近込み合ったところを歩かない私にしてはとんでもないものだった。南大門(これって今は交差点のど真ん中にあるの。さすが元の交通の要だったところだね。)を過ぎて、銀座に当たる街角、で休憩。私はこのカフェで1時間くらい寝たみたいだ。
その後ケーブルカーに乗り、なんと加山に。ガスが激しくて町がかすんで見える。ソウルの空はこんな物だと委君は言う。もとKCIAが本拠地を置いていたところらしく、昔はげに恐れられていたところだとも。
大きなお寺にたどり着いた時は開館時間の5時をすでに過ぎており、仲は拝観できなかったのが残念。
委君の勤める会社のそばの焼き肉屋で(ここがとても居心地のよいお店だった)実にうまい焼き肉をいただき、幸せになる。
その後タクシーでホテルに帰り実に小さなセミナーを委君と二人でおこなった。もうカラーマネジメントは何か、という話ではなく、どうやってカラーマネージメントを納得させるか、というミニセミナーだった。
小腹がしてきたので夜のソウルへ。飛び込んだ焼き肉店でうまい冷めんを食わせる店はないかと聞くと、親切にも別の店を紹介してくれた。初めて食べる極細麺の冷めんだった。
これでソウルの二日目は終了。明日は5時起きで東京に帰る。
さて、来月から定期的にソウル電塾の開催。トップバッターは電塾の助教授、阿部さん。多分私もまた参加する事になるのだろう。そのつもりで、のこったウォンはそのまま両替せずに持ち帰ることにした。なんとも慌ただしい韓国旅行はこうやって終了した。新潟から数えて丸四日間。リュックが方に食い込むようだ。
韓国、ソウル電塾
韓国に行ってきた。しかし東京からまっすぐに行ったわけではなく、その前日に新潟で写真館向けのセミナーを持っており、(これが通常懇親会、という物があり、時には深夜に及ぶ)泊まりの予定だった。その後韓国電塾行きというスケジュールが入ったので、翌日の新潟→韓国の飛行機をとろうかと思ったのだが、残念ながらそれは隔日に運行されており、移動したい日には飛んでいなかったのだ。そこで深夜バスで池袋まで移動する事になった。何しろ朝の7時に成田に着いていなくてはならないのだ。新潟から池袋、5時間。池袋→日暮里が始発の山手線に乗り、15分。京成線の乗り換えにはシャッターが降りていて、乗り換えられない。でも通行人が歩いているのは見える。いったん駅を出てぐるりと回らなければならないのかと、情けなくなったが、もう一つの連絡橋の方は開いていた。ほっとしたのもつかの間、あたしはスイカで入ったのだが、この改札は通れないらしい。券売機はしまっている。やっと通る駅員を見つけて、通してもらう。これで30分使ってしまい、先が思いやられる。スカイライナーが走る時間にはまだ早く、各駅停車で2時間かかる。各駅でドアーが開くので結構寒い。
なんと10年ぶり以上という海外旅行ではあったが、その後は順調にイミグレーションも通り、飛行機にも乗れた。しかし、韓国の仁川空港から市内へのバスは大渋滞に巻き込まれ、2時間以上かかった。やっとの思いで会場についた時はもちろん午前の部も終わり、午後一の電塾恒例の自己紹介もすでに終了して、山田さんの講演が始まっていた。
山田氏は一円で携帯電話を契約して翌日解約。電話を残せば、それはメモリーカードとデジタルカメラになる、という裏技を披露し、大受けに受けていたが、やはりそのシステムは納得がいかない。ま、実際にやる人もそんなにはいないのだろうが。
郡司さん、石塚さん、三瓶さんの講演は日本のプリプレス事情、今後の予想などを紹介し、Photoshop でCMYK変換をするべきではないという、韓国のかたがたにはショックな一言で始まった。感心したのは全てハングルで書かれたパワーポイントを持ってきてこられた事だ。やる事が憎い。
その後、阿部さん、玉内さんによるハイエンドデジカメの紹介があり、最後にPhotoshop CSなどが当たる抽選会があった。電塾の誇る抽選男、本田氏がその本領を発揮し、5回もくじを引いていた。(彼がくじを引いた方に当たるのだが、運悪く、その会場にいない方のくじを4回も引いたわけだ)
東京ビジュアルアーツで私の教え子だった委君が通訳のお手伝いをし、専門用語を次から次へと紙に書いて通訳の方に渡し、通訳の方は見事に日本語のあのややこしいデジタル談義を翻訳されていたのが特に印象に残る。その夜は漢堤料理(韓国家庭料理)?をソウル郊外の立派なお店でいただき、そのまま今回の電塾の主催者、TOV12の素晴らしい、スタジオ、レンタルスタジオを見学させていただき、宿に帰る。宿では中部電塾のならいに従い、朝5時までデジタル談義に花を咲かせた。もちろん前野さんの部屋である。
ボーズのスピーカー その2
あのどさくさから1週間が経ち、やっとスピーカーを作る事が出来た。とは言え、かなりずぼらな作り方だ。有り物の箱(実はこれ早川先生が以前に使われていたスタジオに残されていた物でひょっとしたら先生の手作りかもしれない白くてキャスターのついたヤツ)にスピーカーを埋め込んでしまった。低音域の周波数を大ざっぱに計算して、簡易バスレフにしてみたら、小さなスピーカーでもかなりしっかりした低音を再生できるようになった。(距離は十分にとってあるのでバックロードフォーンのような効果も出ているらしい)完成したスピーカーを所定の位置(机の下、それは“ぺこ”のトイレのお隣さんだ。)にセットして早速鳴らしてみると十分満足できる音が出た。期待していたよりもよい音だったので、幸せの一瞬でした。もちろんこれでターミネーター3を見たのは言うまでもありません。
写真は私の浅草橋の自宅の壁にひっついている仕事場。一番下が左からスタジオのお下がりの工具箱、スピーカー、ネコトイレ。スピーカーのバスレフ部分は猫砂の置き場所にされてしまった。机はもともとは普通のキッチンテーブルだった物を、2段引き出し式に改造してあり、それぞれのキーボードが乗っかっている。
これも色再現領域があまりに狭くなってしまった20インチ(大昔に50万円で買ったヤツ)、中央に持ち歩いている PowerBookG4 15 inch 、この写真には写っていないが似あわない引き出しの上にPM7600が置かれる予定。中央の棚の上のPowerBookG3/233、あの名機ウォールストリートは今ただのプリンタサーバだ。ア、自宅用のメールも受け付けているし、iCalも受け付けているけど、もう重たい仕事は出来ない。昔はこれをもってロケに行っていたんだよなあ。その上がハードディスクのドック。会社にある全てのデータのバックアップは120GBのハードディスクに分散記録されて、自宅に持ち帰っているのでいつでも全く同じデータを自宅で参照できる。
その上の段にUSBプリンタとSCSIのスキャナー。自宅で画像を取り込む事は少なくなったので、多分このセットも近く HPの1210、複合機に切り替える事になると思う。全く安くなった物だ。
ついでに会社で余った、というかついに使用する場所がなくなってしまった最後のベージュのマシン、PowerMAC 7600 G3/300換装を自宅に払い下げで持ち帰った。ちょうど買ってから一年ほどのケンウッドのDVDプレイヤーが壊れてしまったので、(1年を過ぎて壊れてしまい、保証も効かなく、読み取り部の交換だと2万円近くかかる場合もあるという事で、さっさと修理をあきらめてしまった。それなら少しお金を貯めて、ハードディスクプレイヤーを買うもんね)
石川君のもう使わないというプレイヤーを借りてきて7600に繋いでみた。これがAV端子から接続するほかはなく、貧弱な画面で鑑賞しなくてはならないので、すぐにあきらめ、彼(7600)にはiTunesプレイヤーに専念してもらう事になった。(少し前にはこんな事考えられないね)ところが、今使っているiTunesはAACで全て記録しており、OS9の時代のiTunesはMpeg3だ。そこで全てのデータをまた、Mpeg3に書き直して(G4dualの1.45Gをもってしても丸一日もかかってしまった)自宅に持ち帰り、7600は、晴れて、マッキントッシュステレオとなった。もちろんスピーカーは例のボーズかもしれない自作のものだ。しかし、音楽専用のコンピュータを持っているなんて、なんてぜいたくな時代になったのかしら?
ボーズのスピーカー
ボーズのスピーカーって当然、お寺の坊主じゃなく、展示会場やイベント会場に必ず設置されているアレ、ってことは皆さんもよくご存知のはず。あたしはそんなに音にうるさくなく、とりあえず[ノイズ]が少なく、割れていなかったらいいやという、横着者だった。
あたしの仲の良いイラストレーターに根岸さんという方がいる。以前の日記にも書いたが、彼女をそそのかしてコンピューターを使うように仕向けたのも、昨年G4とシネマディスプレイも22インチを買わせたのもあたし。しかし、コンピュータに使われずに、コンピューターをこき使っているところが凄い。私たちもその姿勢は見習わないといけない。
その買い替えの時、不要になった20インチのディスプレイをもらってきた。もう1年以上家にあったのだが、ろくに使用していなかった。それというのも自宅用の9500が不調になり、ついに昨年9月に粗大ごみになってしまったためだ。それ以来自宅用にマシンはなく、iBookを持ちかえって仕事はしていたが、あれはミラーリングだけなので、わざわざ繋ぐ事もしなかったのだ。
しかしそのiBookもついに変調を訴え始めたため、第一線のマシンを PowerBookG4 15 inch に買い替えたのはこの間日記に書いたと思う。これは外部ディスプレイをつなぎ、デュアルディスプレイとして使用できる。(ちなみにディスプレイプロファイルはまるでビデオボードが二つあるかのように別々に作れるのだ。これは凄い。いったいどういう仕掛けになっているのだろう?)そのため早速眠っていたAppleVision 850AV に登場していただく事になった。なかなか快適ではあったのだが、横からスピーカー用の端子が出ていてうろうろとうるさい。邪魔なのだが本体から直接生えているので、抜くわけにもいかない。どうせならと PowerBookG4 15 inch のスピーカージャックに繋いでおいた。
しばらくして何気なく、iTuneを起こすとこれがひっくり返るほど綺麗な音で鳴るのだ。しばらく女房殿とあぜんとしながらAppleVision 850AVから流れ出る雪村いずみに聞きほれてしまった。確かこのマシンはDVDを読めるんだったね、と早速シュワちゃんのシックスディをかけてついつい見てしまったのはこの間の火曜日。
調べてみるとこの当時のマッキントッシュはボーズと提携していたそうな。実際に中身がそうかどうかは知らないが美しい音がこんなに人間を幸せにする物かとオーディオマニアの気持ちがわかるような気がした。
その翌日も例によって、心地よく音楽鑑賞していたら、ぷつんとディスプレイが消えてしまった。かすかに焦げたような匂いがする。ディスプレイがその一生を終えるのを始めてみた。しばらく悪戦苦闘してみたが、これを直す気力も実力もない事に気づき、がっかりした。こんないい物を1年以上も宝の持ち腐れにしていたのだ。なんともったいない事をしていたのだろう。
とは言え、あたしの事でなかなかものを捨てない。せめてスピーカー部分だけでも、できればアンプ部分も取り出せないか、とばらしにかかった。全くそういった用途を想定していないため、(当然だね)苦労したが、スピーカーだけは何とか外す事ができた。これまで3日間を要した。
ここは秋葉原までチャリで2分の場所だ。しかも今日は日曜日。ジャンク屋ではあまりいい物に出会えなかったが、ストレートな増幅をするパワーアンプのキットを¥2600で買い込んできて早速組み上げ、取り付けた。(ちょうど会社で破棄予定だった21インチも自宅に運び込む)エンクロージャーまで作る暇は無かったが、むき出しのスピーカーは気持ち良い音で鳴っている。しかしむき出しなりの音しかしないのは当然。(たった8W程度のアンプだけど、まあ、バランスはいいんじゃなかろうか)来週はスピーカーボックスを作りたいな。もすこし音がよくなるんじゃないかしら?
しかし、今日見た店頭のボーズのピーカーはアンプがついて¥11500だった。(もっとも安き機種でMediaMate II マルチメディア・スピーカーシステムというコンピュータ用のヤツ)お休みを一日潰して、こんな苦労はしないでこれを買ったほうがはるかに効率的でいいと女房にいわれ、そんな気がしてきた。それはわかるんだけどね。
これでターミネーター 3 を見るんだ!!
猫めくり
猫めくりを私たち夫婦は毎年楽しみにしている。だんだん、これは素人写真じゃないだろう、って写真も増えては来たし、今も家には生猫(なまねこ)の“ぺこ”がいる。それでも日々、楽しみに猫をめくってしまうのだ。
ところが昨年はなかなか買いに行く時間がとれず、とうとう今年にずれ込んで買ってしまった。しかし、わくわくしながら?封を切ったとたん、あぜんとしてしまった。(“久田”と順番に) 皆[カラー]になっているのだ。他にも[カラー]のこのての似たような物があるのは知っていたが、これはいけない。
一ファンとして一言申し上げたい。(だれにだ?)
どうせ[カラー]にするなら綺麗な印刷にしろ!!仕上がりが、まるで安物のカラーコピーだ。あのほんわかした“味”が全く感じられない。周りがどんどん[カラー]になるなら、これだけはモノクロでもよかったのに。いや、その方が価値が高かったのに。
実際、よく見てみると、これがモノクロでマットだったら、結構よかったのに、という写真がそこここにあるのだ。
あの色の飽和した写真は思うにコンスマーデジカメのせいか?派手な色を競うメーカーの主導権争いの結果、このような[カラー]が世にはびこるなら、私は反対したい。テレビにしてもそうだが、汚い色彩の氾濫だと思ってしまう。
ま、こんな事をいっても“そりゃあんたの趣味だろうが”といわれればそれまで。あまりにショックだったのでこんな事を書かずにはいられなかったの。
いいたい事はもっとあるけど…
願わくば来年の猫めくりは元に戻りますように。(保守的なおやじのの独り言かしら?)好きなんですよ。あれ。