RGBバトルトーク!


JPCカンファレンス2003に参加してきたので、そのご報告。久しぶりに多摩美の構内に入り込み、むちゃくちゃ懐かしい思い。ここの学生ではなかったのだが、行き来はかなりあったので…。

郡司さんの司会で始まったが、パネラーは、カメラマン側として、電塾の炎のフォトショッパー永嶋サトシ氏、作品作りに命を懸ける、日本写真家ユニオンの広瀬久起氏、プリンタカラマネの大家、MD研究会の上原ゼンジ氏の3人。また印刷、製版側としては株式会社リックの清藤信一氏、理系で、印圧やドットゲイン大好きという、水上印刷株式会社の荻野正彦氏、大日本スクリーンで修業して、ハイデルを買ったと言う、大丸印刷株式会社の中島弘稀という、淙々たる6名で行われた。そして会場には早川塾長、私の隣に、光陽社の柳沢氏、ハイデルの根本さん、等々…。これはきっと何かが起こるぞ、と期待させつつ…。

パネラーの郡司氏から、プリプレスの黎明期はスキャナーから最適化されたCMYKがでており、デザイナーもそのデータをいじっていたので問題はなかったが、入力がデジタルカメラになった時にCMYK変換の巧緻、あるいは仕上がりの差として決定的に出てきた。さて、入稿はCMYKかRGBか、という問題を投げ掛けられた。またカラースペース論議として、AdobeRGBとsRGBの差、RGBワークフロー、データのアーカイブ化をを唱えるなら、 AdobeRGBであろうと言うお話。皆それなりに納得できるお話だった。特にRGB入稿を唱えつつ、現実はCMYK変換をして納品している、という上原さんのお話は身につまされる。もっともきちんとしたCMYK変換が出来る方はいいのだけれどもそうではないほうが遥かに多いのだから。

デザイナーさんに対する過激な発言も飛び出した。データの入力と出力はそこそこ勉強し、理解しようという風潮になってきたが、どうにも中間工程、つまりデザイナーが問題だと。
デザイナーはハイエンドスキャナーから出されたCMYKデータを受け取っていたため、それに慣れてしまった。つまりRGBをハンドリングする努力を怠り、過去はともかく、現在は新しい情報を吸収することを破棄してしまってはいないか?という意見だった。

デザイナーに限らず、今でもCMYKでデータをよこせと言っている、製版会社もまだ存在するし(仕事無くなるぞ!)むちゃくちゃにいじり倒して、あるいはとんでもない設定でデジタルカメラを使ってデータを作るカメラマンもいるのだ。

ではどうすればいいのか?どうも郡司さんはお話しをここに持っていきたかったようだが、またむかしと同じようにいじる必要のない出来上がりのデータを受け渡せばいいんだ。ということになる。それは基順を満たしたRGBデータ。過去はともかく、ディスプレイは信頼できるようになったことに気がつこう。同じくカラースペースも AdobeRGBにしてしまおう。Japan Color 2001を使おうじゃないか? こんなことを言っているように思えた。あえてあたしは“じゃ、つかいやすく、すでにグローバルスタンダードを確立しているsRGBはどうなるの?”という質問をして見ると、別にいいんじゃない?実際は広域sRGBに近いんだし、ってお答え。ま、そういうことですか?

アーカイブするデータの標準は問題は印刷適正を持ったRGBではないだろう。そして印刷の世界で回る基準データはRGB入稿となり、将来的にインリップセパレーションが考えられる場合、印刷適正を備えていること(つまりカラーリプロダクションやシャープネス、トーンリプロダクションといった適正を少なからず与えられたもの)が必要になり、同じRGBとは言え、やはり二種類存在することになってしまいそう。

このあたりの問題は、郡司さんが最近話題にするヘキサクロームなどで、かなりの解決がつくのだろうか? 今回も、そのお話で幕を閉じたが、それはやはり高級印刷の世界のお話だ。4色プロセスは厳然として生き残るだろう。

九州出張その二

出張の二日目、は九州横断の山越えだ。大分から、あの荒城の月の背景となった岡城趾のある竹田を経由し(この道がまたほっそい道でしかもかなりのワインディングロードときている。片側が人家で反対側が谷間になって落ち込んでいるという亨のもはばかれる所。あとから知ったが少し走って山並みハイウェイという物を通ればもっと楽だったのだ。)きっと高千穂と思われる神々しい山並みを眺め(天岩戸がある例の天孫降臨伝説のある所。実際にどんよりとした曇り空からお日さまがのぞき、光の帯が降るという願ってもない状況だった)阿蘇山の北のふもと、草千里を迂回し熊本に入った。
こちらはもう店内は準備が出来ていたのだが、外観の工事がまだ完了していなかった。天気も悪く、雨が降って来始めたので(今日帰らないと明日の電塾大勉強会にでれないと言う大きな問題もあった)建物を未完成のまま撮影。はめ込むことの出来るパーツを反対側の壁などから撮影し、後ほど合成することにした。これもデジタルならではのお話。空港では1時間ほど時間があり九州ラーメンを堪能。有意義な出張は完了した。

九州出張


5日、6日と九州にロケに出かけた。

前日は他のスタッフがまだ仕事をしているのをしり目にさっさと帰宅。十分に睡眠をとり、羽田発の飛行機に乗り込んだ。最近気になる事があるのは、よく見かける光景で、スタッフがクライアントさんの前で、“いやあ、昨日は徹夜ですよ。眠い眠い”と平気でいっている事だ。特にこの時期、押し詰まってくるとよく見かける。忙しいのは結構だが、大事なロケに、睡眠不足できていることをあたりはばからずに公言していい物だろうか? たとえ実際にそうであったにせよ、せめて十分睡眠はとってありますので体調は万全です、というべきではないか?と思うのだ。それにこれはけして自慢にはならない。自分の処理能力が小さいと白状しているような物だ。(そういえばあたしも日記によく今日も徹夜、って書いていたっけ)

という訳で暖かい九州は大分に着き、現場に入るといきなりまだ撮影するべきお店が仕上っていない! 夕方にならないと撮影できる状況にならないと言うのだ。そこでクライアントさんと相談して、食事、大分観光をすることになった。とは言え、ぽっかり空いた時間は3時間ほど。名所見物に行っている程の時間はない。それでは温泉にでも入るかと言うことになり、別府まで車を飛ばし、別府駅前の観光案内所で紹介されたに竹瓦温泉に行くことになった。
行ってみてわかったのだが、ここは確か、TVで見たことがある。真っ黒い砂の中にうまるようにして暖まる砂風呂と言うヤツだったのだ。裸になり、砂の上に横たわると元気なおばちゃんが山盛りに砂をかけてくれる。十分な重さと暖かさが意外に気持ち良い。湿気も十分になり、気管支がらくになった。風邪が治るような気がした。
砂風呂を堪能し、午後の四時から特急で撮影し、6時半には完了。(これ、デジタルじゃなくては出来ない芸当だ)ホテルにチェックインし、さっそく飲み屋に。紹介された居酒屋はあいにく満員だったが、運良く、関さばの季節で関アジ、関さば、広島の牡蠣を堪能し、12時までのむ。それでも明日は8時集合なので、7時間は寝ることが出来る。