スタジオ大改造

レギュラーの仕事が一段落し、私もセミナーがちょうど一段落したところ。現在のスタジオに引っ越してから2年半が過ぎ、そろそろスタジオの使い方にもある程度固定できる事、あるいは改良点などが見えて来たので、ここで一気に改造をしようと言う事になった…もっとも言い出しっぺはもちろんあたし。先週の土曜日から2年半使用しなかった余分なものを破棄。あるいはほこりをかぶっていたガラスの小物などはガラスの扉のケースを買ってその中に収納。スタジオの半分を占めていた事務、コンピュータスペースを一気に切り詰めて空き地を作り、蛍光灯ライトで撮影できる小物撮影スペースを確保。先週の金曜日に開始して(というのは燃えないごみが土曜日の収集なので)今日になってやっと形が見えてきたのです。
というのは撮影が無かったはずの月曜日、火曜日に飛び込みの撮影があり、致し方なく見切り発車でスタジオを稼働させてしまったので、ここまでずれ込んでしまったのです。まだまだ、高さを切り詰めてもらったり、新しく発注したごみ箱が出来ていなかったりしますが、大枠では完成といっていい状況にやっとたどり着きました。(そうそう、私達が入っているビル自体も外装の工事で、エアコンの引き込み口の一体化、新しく動力船の引き直しなど、この一ヶ月は大騒ぎでした。外壁の亀裂などを埋めるためのドリルの振動がものすごく慌ててサーバーを停止させ、一時仕事が出来なくなる事もありました。什器の移動で会社のエアコンはドレンホースが外れ水浸しという事もありました。おまけに自宅のエアコンはドレンホースが詰まり、自宅も同時に水浸し。このホースは壁の中を伝って排水されていたので丸二日この熱帯夜にエアコンが使えない…おまけにあたしの住んでるマンションは2階なんで、窓を開けてもちっとも涼しくなく、熱気と騒音でとても眠れたものではありませんでした。マンションの施工会社とエアコン設置、エアコン会社とマジに戦ってしまい。ものすごく疲れました。今は動いていますが、新品交換になるかどうかは一週間しないと答えが出ません。)
 仕事はまともにしていないのに、そんな嵐のような一週間でした。さすがにあの熱帯夜は日記を書く気力も出てきませんでした。そのため(エアコンのメンテナンス)に会社を休み、それも後かたずけが遅れた原因のひとつでした。
 でも、一生懸命にやった成果でしょうか?今まで自分のスタジオを何度か作り直しましたが、今回はとても気に入っています。ストロボや電源などの配線はほとんど天井を伝うようになり、つり下げ式になりました。(場所が狭いための苦肉の策)やたらに細長いスタジオになりましたが、おかげでモデル撮影は105mmレンズで全身が撮影できるようになりました。普段は二つにわけて真俯瞰用と小物立ち物の撮影セットの二つに別れます。小物セットは簡単に来客セットにも変更できるようになりましたので、今までよりは居心地が善いはずです。ぜひお近くをお通りの際はお立ち寄りください。
 何といってもエアコンの機器が良くなった事は特筆ものです。何とかこれで猛暑もやり過ごす事が出来ればいいなと思っています。
 さあ、明日は真俯瞰用と小物用のメインライトのセッティングをして、新しい撮影台が納品されるのを待つだけです。楽しみ楽しみ。

湯浅さんのグループ展に行ってきた


 キヤノンの柳沢さんにメールでいくつかの質問をしていたら、今日が湯浅さんたちのグループ展(デジタルの戦士たち、キヤノンサロン)のオープニングだという。午前中はどたばたしていたが、午後には一段落し、銀座に向かった。デジタル写真の可能性については私はもっとも期待している人間の一人だと思うのだが、今となってはデジタルだからこそ、というようなよりも銀塩と対等によい写真として評価されるべきものに変化してきた様な気がする。ただ、いじれる事が、綺麗すぎる写真を作ってしまったり、勘違いをしてしまう事もある。私自信も改めて戒めなければいけない。そんな中、ビビッドな写真表現、ストレートな表現が多かったのは好感のもてるグループ展だったと思う。
 もっとも私は知り合いが少なかった事もあり、杉森さんや柳沢さんとコロッケ(これ、とてもおいしい)や枝豆とビールをしこたま頂いていた。後から公開したのだが、白いご飯を持参すれば良かったと…。
 また今日も飲んでしまった。

夏の大合宿in松本浅間温泉に参加してきた。その3


11時半に眠い目をこすりながら(半分鹿野は寝ていたという説もあるが)最後の公開討論会が終わった。私は2時の電車の切符を持っていたので、少々時間があり松本城、旧制中学などを市内循環100円バスで巡りながら観光写真を撮影して時間を潰した。ふらっと入ったそば屋が運良く蕎麦を切らしていて、打ち立てを食べる事が出来、とてもおいしかったのは幸せ。やっと四日間にわたって毎日深夜から朝まで飲みながら、毎朝早朝に起きるという生活から開放された。(そうそう、大阪に向かう前の日に現代音楽の作曲家の梶君と飲んでいたっけ)今思う事はまだこれだけ体力があるんだなあ、って事だけ。でも中身の濃い日々であった事は確か。直接技術のお話しで“へえ~”というような事はなかったものの、いろいろな方とのお話しでためになるお話し、思わぬ撮影のヒント、撮影の姿勢、営業の秘術など実りは多い。さあ、稼ぐぞ!!

夏の大合宿in松本浅間温泉に参加してきた。その2私はだれ?


 宴会には大田原氏が立案したという、“私は誰?”のコーナーに私はこんな姿で登場、といっても昔の写真です。もちろん今はやりたくても出来ません。大学生のころの写真で、体重48キロの時代でした。早川塾長や永嶋氏の写真、郡司さんや前野さん、江口さんといった講師陣の写真、なかなかうけていました。
 合宿の中日は朝から深夜までの大セミナー大会。 朝10時から夕方6時まで。こちらは中部、信越電塾さんからレポートがあると思いますので、はしょってしまいます。ただ、こんなに集中的にセミナーを受けたのは久しぶり。また、セミナーの内容がすでにデジタル技術論ではなくどの講師も「仕事をする写真家」像について熱く語っておられたのが印象的です。永嶋氏の「Jpeg圧縮率=値引き率」論には心から感動しました。(しりたい?知りたければ永嶋氏に合いに電塾に来てください)私の仕事の種類によっては“時速8カット以上たたき出さないと儲けがない”論※1に通じるものがあります。まさしく早さも値段のうちです。

最後は私のこの夏のイチ押しのデジカメ、エプソンRD-1の紹介。その地元、エプソンさんから思わぬ贈り物があり、(スキャナー、コピー、プリンタの一体型)激しいじゃんけん争奪戦の上、中部電塾の坂野氏がゲットしていました。(これにもとんでもない大騒ぎだったのですけど…)

 二日目の夜は私がいた部屋では郡司さん、前野支部長を中心とする車談義、飛行機談義。私たちのグループはなぜか関西電塾の賞品荒しこと、山本陽子ちゃんをいじって深夜3時過ぎまで(私は早々に退散させていただいたけど)また大騒ぎ。翌日確認した情報によると、阿部氏はまた別の部屋でピクセルスマートの効用について明け方までまさしくセミナーをしていたそうな。
 
 そんな中、私たちがやっと寝ついた朝4時に起き出し、美ケ原高原に早朝撮影に出かけたD1クラブの面々もいたとか。なんと会長の山田氏の一声で11頭ものボルゾイが集結していたそうな。それだけでも凄いイベントになりますね。

※1旧い私の日記を読んでくださった方々は覚えていらっしゃるでしょう。あの頃は毎日今日の撮影は時速10カットで12時間走った、などと書かれていたものです。

夏の大合宿in松本浅間温泉に参加してきた。その一


 9時新大阪発の新幹線に乗り込み、名古屋で乗り換え。特急信濃は普通席がとれなかったので久しぶりのグリーン車。名古屋から松本までの2時間をゆっくりと過ごせたのは幸せ。12時に松本につき、1時にはセミナー会場の浅間温泉に入る。さあ、これからはただの受講生だ。あっそぶぞお!!
 と思う間もなくセミナー開始。内容はきっと中部電塾がレポーとしてくれるだろうかからそちらに任せて、宴会、お風呂、また宴会。またまた深夜まで飲んでしまった。お風呂の大騒ぎのCMS談義は3階の部屋まで聞こえていたそうだ。うるさかったろうなあ。2泊3日のセミナーの始まりでした。

関西JAGTのセミナー、デジカメ実践編。

 つい先月も関西電塾に参加したばかりなのだが、その関西電塾の小林様に誘われて、JAGATに参加する事になった。いつものカメラマン向けのセミナーと違い、全てが製版、印刷会社の関係者。どうしても緊張してしまうものです。すでに電塾の助教授、阿部氏が第一回の基礎編を行っているのだが、やはりデジタルカメラのデータの素性を理解してもらうのが基本だ。綺麗なデジタルデータはどんなものか、ということからお話しを始めました。
 “綺麗な”RGBデータは、環境(ディスプレイのキャリブレーションとPhotoshop のカラー設定)、露出、グレーバランスの三つに尽きる、という事だが、カメラマンではない彼らには多分、目新しいお話しだったろうし、なぜそんなことをわざわざ聞かなきゃいけないのか、という疑問もあったと思う。実はこれを知っていただくのは必須項目だったのだ。これを知っていただく事で、初めてどうしたらまともにきれいなRGBデータを受け取る事が出来るのか、という事を知る事が出来ると私は考えているのです。
 その後、RGBチューニングは目的によって変化する事…Color Ginius DC やピクチューンなどの変換ソフトを通すにはどちらかというとリニアよりの展開をしておいたたほうがよいがプロファイル変換でそれをやると結果的に地味な印刷ができ上がってしまう。プロファイル変換は魔法の変換ではなく、あくまでLab上の元の色彩と極めて近似した新しい色空間上の位置に色彩をプロットするものだという事が大前提です。つまりトーンリプロダクション、カラーリプロダクション、おまけにハイライトセットアップがRGB上で完成されている必要があるのだ。変換ソフト、テーブルを使用する場合トプロファイル変換をする場合はおのずと違ってくるでしょう。
 プロファイル変換が一般的になればなるほどRGB上での色補正、トーン補正が必要になってくるでしょう。もうRGBはわかんないとか言ってる場合ではありません。そこで16bitを使用した色補正、変倍、シャープネスとアンシャープマスクに付いて解説を付け加えました。ここまで来ると、カメラマン相手とさほど変わらないですね。大幅な変更こそRGB 上で行っておくべきです。
 最後に撮影時の失敗を救済するとして偽色の低減方法、ノイズの利用法を解説。時間足らずで焼き込み、覆い焼き、修復ツールまでは解説できなかった のが残念です。
 私のセミナーはどうしても色彩を含んだ再現にかかる比重が大きい。そのためNEC三菱電機ビジュアルシステムズ株式会社 RDF225WGを借り出していただいたのですが、ディスプレイを切り替て画面が小さくなった途端に、後ろの席はディスプレイがみえなくなってしまったようです。改めてプロジェクターのセッティングに sRGBモードがあるエプソンのプロジェクターのありがたさを実感しました。もうこのクラス以外のプロジェクターではセミナーはやりたくない。
 今日はそのまま大阪に宿泊。明日は松本に入る。福島さんと連絡が取れ、安くて、うまいすし屋と御機嫌なバーに連れていっていただき、深夜まで飲むことになりました。福島さん、楽しかったです。ありがとうございました。タクシーにホテルニュー大阪とホテル新大阪を間違えてつれていかれたのにはまいったけど。

ちょっとびっくりした事


銀一製のシルクグレーカードをご存知の方も多いでしょう。ご使用になっている方もかなりいらっしゃるはずです。基本的にロットの差が少なく、値段も安い事もあり(2枚highって1100円)、私も愛用していますが、ちょっと青っぽい気がするのです。試しにマクベスと同時に撮影し、マクベスのグレイスケール(明るいところから三番め)でグレーバランスをとるとR109, G110, B112位になります。もっともこれは十分許容範囲に入っているのですが、少し気になります。せっかく安定しているのだからもう少しRGB 値がそろうと良いな、と思っていたのですが、なんと、裏の白いところはR216, G216, B215と素晴らしい数値を出していました。そこで最近はこれを半分ずつ裏表で張り合わせて使用しています。

もう一つ。エプソン純正のフォトマット紙。これも私の常用のペーパーなのですが、これがR215. G215. B219と少々青い。もしやと裏をためして見たら、R211, G211, B211ときれいにそろっているではないですか?意外なところに無彩色が存在していました。

探すともっと身近にありそうですね。

笠井様から聞いた塩ビの水道パイプもなかなか良かったです。ハンズで売っていた塩ビのシルバーグレーの板もR110, G111, B111と結構良い数字でした。これは60×90Cm位あるんで広角レンズを使用する時には便利ですよ。