“ぺこ”の事

ここのところ頻繁に落とし物をしている。先日のマイクロドライブに続き、今度はロケでPowerBookG4用のACアダプターを無くしてしまった。これ結構高いのだ。早速秋葉原の中古店で同じものを購入し、これはもうけ物と一安心していたが実はこれ、全く同じ形をしているのに45ワットの物だった。以前のPowerBookG4用のもので、今は消費電力も上がり、65ワットのものが必要なのだそうだ。それでも動くので、ま、いいことにしよう。それにしても“安物買い”をしてしまった。反省。
 “ぺこ”をつれて久しぶりに“アトム動物病院”へ行くと、院内がとてもきれいになっていた。リニューアルしたらしい。新しい先生も増えていて、元気が良い。三週混合ワクチンを打ってもらい、つめ切り、耳のおでき、歯の様子などを見てもらう。血液検査では白血球が多いのが気にかかる。肝臓の値も少々高いので、様子を見る事になる。いつまでも子供だと思っていた“ぺこ”も、もう7歳ですでに成猫を越えシニアになってしまっているのだ。
 今までは一年に一度のワクチン位しかお世話にならなかったのだが、そろそろ、猫ドックを始めたほうがいいのかもしれない。

小林響


旧い知り合いに会える、というのは楽しい事だ。それが当人の久しぶりの個展で十数年ぶりなるとまた、感慨が深い。今日オープニングだったのだが、その級友というのは小林響というファッションを主に撮っているカメラマンで、コマフォトなどにも登場しているので知っている方は多いと思う。彼のライフワークであるアジア、アフリカの原住民の肖像写真で今回は4×5を使用していた。相変わらずこくの深いプリントでアナログの権化を目の当たりに見る思いがした。今回も、力があり、美しいプリントは見るものをを圧倒する。もっとも彼の肖像写真自体が鑑賞者を脅迫するような勢いを持っているのは事実だが。
最初に彼を有名にした屋外に白ホリをたらしてポートレイトを撮る、という事に私は少々かかわっている。アベドンをやりたかったのはその頃初めて知ったのだが、どうやったら屋外にロールペーパーをたらせるか、という彼の問いに、それならイレクターで作るのがもっとも安く、欲しいサイズを手に入れる事が出来るだろう、と助言したのがあたしだった。まさかアフリカまでそれを持っていくとは思わなかった。彼が気にいって使用していたマミヤのC330もあたしがC220を使用していたのを見て、気に入ったらしい。
もっとも実際にはあたしが彼の内部でどれだけかかかわっていたのかは解らないが、その時代(彼が現像、プリントを初めて、それからアフリカにものすごい思いをして言った頃)に少々かかわり合いがあったのだ。
この個展は5/13日まで開催されていますので、ご興味のある方はぜひ!
横浜ポートサイドギャラリー http://www.ycs-ap.com

“ぺこ”のおっぱい


こんな写真を載せて良いものかどうか?この写真、家の“ぺこ”のおっぱいだ。向日葵の日記にも書いたが、彼女は自分で自分の乳を吸う。そのため、子供を産んだ事は無いが、おっぱいが大きい。この子はオカマの“ごんちゃん”ちゃんに育てられ、彼が死んだ後は自分の乳を吸って育った。そのため、実際にミルクがでるおっぱいを吸った事が無いのだ。ついにそのおっぱいの撮影に成功した。

お米の焼酎


今月の電塾のお話はレポートとして毎回アップしているのでそちらを見ていただくとして。最近おいしいお酒にで合ったいきさつを簡単に。
山形のお米を磨いた焼酎で名前を秀洋という。これを手に入れたいきさつがなかなか面白い。実は結婚式の撮影のお礼に頂いたものなのだ。
私は今でも結婚式の撮影を個人的に受けている。新潟での結婚式に声をかけてもらい、出かけていったところ、花嫁の支度室(いつもここからとり始めるのだが)にお邪魔したら、見覚えのある花嫁がメイクをしているのだ。あたしゃ、なんと挨拶したらばいいのか解んなくなって一瞬絶句してしまった。(ま、また結婚式を挙げるの?って)
なんの事はない、その次の瞬間には以前撮影させていただいたその花嫁のお姉さんがドアを開けて入ってきてあたしに挨拶をしてくれた。そういえば、前回の結婚式のときにそっくりな妹さんのお会いしたっけ。(ホンとびっくりしたんだから)
その前回と今回の花嫁のご実家からそのお米の焼酎を頂いたのだ。(ご実家はお酒の卸をしていたらしく、両花嫁も、ご両親も、おばあちゃんもお酒がお強い)それがあまりにうまかったのでインターネットで検索し、ついにゲットした。
秀洋というお酒なのだが、これには弟がいて、名前をシーハイル蔵王というんだって。シーハイルなんてすっかり聞かない名前だね。飲み比べるために両方同時に購入し、同時に封を切ってためしてみたのだが、兄が40度、弟分が30度というかなりきつめなのだが、個人的には兄の勝ちだった。この酒はストレートで飲む時はかなり高いアルコール度数で良い味を出す用だ。ただ、蕎麦茶割りにした時は弟の方が飲みやすい。どちらが良いかなんて難しいものです。

渡辺さん

 テクノスクリーンの渡辺さんが彼が作ったシステムの紹介のため名古屋から訊ねてきてくれた。以前簡単に説明は聞いていたのだが、それをショーワ(印刷用機器などの販社)の秋吉さんにプレゼンするためだ。私も同行する事になり、伺ったが、まさに現状のワークフローでこなせない部分を肩代わりするようなシステムだ。カメラマンにとってもあまりにぼうっとしていると、遠くない将来に脅威になるかもしれない。それでもこれは正解なのだろうと思う。要はRGB to RGBをネット上で受け、サーバ管理をし、RGB to CMYKをサービスするというシステムで、実に理にかなっている。解像度のマジックを逆手にとり、シャープネスの問題(これって仕上がりに関して言うと結構大きいのだ)をうまくクリアーしているのが見事だ。
 その後は神田の松屋で板わさ(魚の味がするといって感動してくれていた)、焼き鳥、ビールに蕎麦で〆てスタジオに帰る。ほんとははもっとゆっくりしたかったのだが、緊急コールでかスタジオに帰らなくてはならない羽目になってしまった。
 OS X サーバのパーミッションの解除の問題を話しあい、彼は名古屋に帰っていった。さて、明日は電塾だ。

3GB


午後からアダムス(カラーマネージメント研究会であたしもその会員になっている)の勉強会があるため、珍しく早起きをして花見に行った。ローソンのお弁当とビールを買い、岩本町から九段下まで3駅である。

桜は8分咲きで満開には少し早かったようだ。今年の桜もやや彩度が低い。(もっとも桜なんてほとんど色がないんだけれど)田安門を抜け、日本武道館を左手にお堀にそって国立近代美術館まで南下。首都高を越えて千鳥ケ淵沿いに少し歩き、ここでお昼。このあたりの方が色彩は豊かでゆっくりできるので私は一番好きな場所だ。意外とお堀端の菜の花の方が勝っているかもしれない。

そこから内堀通りの交番前を通り、戦没者慰霊碑を越してかつてのフェアモントホテル…良いホテルだったのに(今はなく、その跡地には超高級マンションが建築中だ。なぜ高級マンションかというとあたしもこのカタログの撮影に参加したからモデルルームは知っているわけ。むちゃくちゃ広くて大理石ばりばりの部屋であたしのうちのマンションがちょうど玄関くらいだった)を通るあたりは一方通行にさせられて、何だか味気ない。午後の1時ころ大山巌の騎馬像の前でデーターをバックアップし、アダムスの勉強会に向かい、その後靖国神社で夜桜の会。メンバーは郡司さん、矢部さん、柳沢さん、大野さんとあたし。結構コイですね。さて、自宅に帰ってマシンを明けるとマイクロドライブが入ったケースがどこにもない。ポケットにも、バッグにも入っていない。交番に届け、郡司さんに会議室をあさっていただいたけれど、どこからも出てこない。九段はTOKIOのコンサートの終演時でものすごい人だった。きっとデーターをバックアップした時だ。バッグに入れたつもりで落っことしたのだろう。桜の毒気にあたってしまったのかもしれない。

もし、九段で1GBのマイクロドライブ(連番で4,5,6)3 枚とアダプター入りのキャノンのロゴが入ったブルーのケースを拾った方!おりましたらぜひ、哀れな鹿野にご一報を!!中にはその日の収穫である桜の花が撮影されてます。(といってもバックアップはしてあったもんで、物理的なショックだけなんですが)

3GBの1割程度といいますと256MB程度のお礼ですけど…。

入稿基準


今日ソニーミュージックエンタテイメントに仕事の打ち合わせに行った。とんでもない事が起こるという予想はしていなかったのだが、何としても日記に書かなくてはならない事態に直面した。
実はCMSに関して今後のソニーミュージックエンタテイメントとしてのガイドライドラインがあるというのだ。あたしはむちゃくちゃ緊張してしまった。過去、何度こういったシーンでトラブルを起してしまった事だろう?

しかし、その説明用のブースに入り、いきなり気が楽になった。ナナオのカラーエッジCG18がおいてあるのだ。Photoshop も全てバージョンを上げたという。(過去はデザイナーさんごとに違うバージョンを使用していた)

さて、その説明は基本的にRGBワークフローを前提として、カラースペースには AdobeRGBを使う。ディスプレイはお互いにハードキャリブレーションし、CMYK変換はプロファイルを持つソニー側が行う。アンシャープマスクはいっさいかけずに、記録画素数のまま入稿する。(必要なシャープネスはその仕事に応じて与える)RAWデータはカメラマンが責任を持って現像する。

という全くもって理路整然としたまじめなワークフローだった。今日はよい日だ。こんなにまともなクライアントさんに出会えた事に乾杯したい。このワークフローなら、あたしたちも撮影に専念できるというものだ。無駄な労力が必要ないという事は仕事の質を上げ、かかる経費の圧縮にもつながる。良い事づくめだ。

ガイドブックやプロファイルも公開しており、(ターゲットプロファイルはソニーさんが通常使用する印刷会社5社の共通プロファイルであり、共通のDDCPに会わせ込んであるというもの。昔はともかく、今ではもう公開してくれる必要もあまりないのだが、これを実践できる、という事は安定した色校正を期待できるわけで、よい事だろうと思う。クローズドに近い環境なら、これも一つの方法だ。出来れば Japan Color 2001 Coated などの汎用ターゲットだともっと嬉しいのだが、いずれ、世の中もまた変わってくる事だろう。)

これらは電塾の地道な努力、APA、MD研究会の運動が実を結んだ結果だといえるでしょう。クライアントさんの方RGBワークフローを提案してくれるという珍しい現実に今日のあたしはとてもうきうき。そういう意味で何としても日記に書かなくてはならない日だったのだ。

小石川周辺


日曜日なのに9時ころ起きてしまった。天気もとてもよろしいかったので写真を撮りにでかける事にした。もちろん一昨日、スタジオに届いたばかりのNikon D70をもって。
目的地は自宅から近い事もあり、時節柄、という事も合わせて小石川植物園、小石川後楽園を訊ねる事にした。
一般には「小石川植物園」ですが、正式名称は「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」といい、そのもとは徳川綱吉が将軍になる前の御殿が在った場所で薬草などの栽培をしていたところだそうだ。やや北に向かって小高くくなる丘の南の斜面がそれで、その北西の端に今もその旧東京医学校建物が本号から移築され、残されていた。泉鏡花の「外科室」というマニアックな小説の舞台となった場所だ。あの窓の奥に小百合さんが横たわっていたのか、などと空想をたくましくしてしまう。散策をしていてとてもゆっくりできる場所で、都内とはいえ、さすがに上野周辺の情緒を濃く残している。今日持ち歩いているレンズはAF-S VR Zoom Nikkor ED 24~120mm F3.5~5.6G(IF)、標準レンズとして、Ai AF Nikkor 35mm F2D、広角レンズとしてこれだけはシグマの12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMの三本だけ。もっともこれで必要十分過ぎるほど。予備のバッテリーも1本持っているだけで十分過ぎるというのもありがたい。(バッテリーの持ちがやたらといいのだ。)ロケのセットが劇的に軽くなり、しかも使いやすい。こんなデジカメを待っていたのだ。

その後タクシーで真南へワンメーター程くだったところにある小石川後楽園にむかう。ここは例の水戸光圀の屋敷跡だとか。飯田橋という都心のまっただ中にこれだけの庭園が残されているのが奇跡のように思え、柳になった枝垂れ桜がいきなり満開で私を迎えてくれた。もっともこの庭園内の桜は10本程度でそれが広い園内に散在しているので、桜の集団という絵にはならない。ゆっくり歩くとそれだけで2時間ほどはかかってしまう。築山、池、などを巧みに配置し、時々聞こえてくる後楽園のジェットコースターの歓声さえなければ、都心にいるとは思えないほどだ。奥まった敷地の中央に当たる所には奥多摩の田園風景化と錯覚させるような風景にであった。

その後、私の飲み友達の入谷に住んでる根岸さんのご自宅を訪問、少しだけコンピューターの様子を見て、一緒にパイレーツオブカリビアンを鑑賞する。さすがディズニーの映画で、お話はなんてことないが、十分に堪能させていただいた。(その間にむちゃくちゃうまい赤ワインを2本)8時ころに“久田”も誘い出し、湯島のイタリアンレストラン(ここ、根岸さんが見つけてくれたのだが、実にソースとかオリーブオイルとか、野菜がうまい!店主は絶対の自信を持っていたが、なるほどうなずける)でさらに2本飲みっぱなし。実はあたしも根岸さんも、仕事の段落がちょっとついたので、今日はのみほうけるゾ、という日だったのだ。

すっかり酔っ払い、かなり同じ話題をしつこく繰り返すようになったので、11時ころ解散。幸せな日曜日。

中部電塾


一年ぶりの中部電塾に参加してきた。RGB to CMYK というお題でというリクエストだったのだが、今回はデジカメ新機種のお話や例の AdobeRGB Vs sRGB についても触れさせていただいた。ついついBBS上に出てくるお話だけを見ていると目くらましに会いやすい部分を丁寧に(実はしつこく)やらせていただきました。おかげでRGB to CMYK の解説は“なぜカメラマンはCMYK 変換を出来ないのか、”の原因に終始し、シュミレーションをするなら Japan Color 2001 Coated を使おうよって言うことで終わってしまった。実はこれ、確信犯でもあったりする。

CMYK変換のノウハウを知りたくてきてくださったかたがたもいらっしゃるかとおもうが、実はこれ、多少のセミナーなどでは理解することは不可能なのだ(多分)。では何が必要かというと、最終出力機つまり印刷機が手元にあり分解した結果を常にフィードバックできる環境が必要なのだとおもう。そうでも無いと、やはり自分勝手な処理をしたデータをあと工程に送り込み、また現場を混乱させる原因を作る事になってしまう。その状態に行ってしまうルートは作りたくないという思いがあたしにCMYK変換を解説することを控えさせたのだと思う。もっとも、あたしが持つその能力にもかなり疑問があるのだ。一時はPhotoshop を使用してかなりのところまで出来るというような自信を持ったり、Color Ginius DC を使用して十分に良い状態のCMYKデータを作れる自信を持ったりもしていたのだが、今はそれはすでにない。印刷、製版のProfessionalのかたがたにお会いして、お付き合いが深くなればなるほど、あたしに出来る限界を思い知らされてしまうのだ。あたしに出来ない事を解説するなんて無謀な事でしょう?

それよりも嬉しかった事に今回のセミナーには製版、印刷関係のかたがたが結構多くきてくださっていた事だ。基本として“switch on CMS”があり、カメラマンはきれいなRGBデータを作る。製版、印刷はRGBからCMYKデータを作成する。基準カラースペースは Japan Color 2001 Coated としよう。このお話を聞いてくださっただけであたしは今回中部電塾にきた甲斐があるというものだ。

機会があればRGB入稿の際のチューニングはどこまでが適切か、製版会社はこうやってCMYK変換をしている、 Japan Color 2001 Coated の利用方法、私ではなく、専門家を交えてのCMYK変換(これを実践するために学のではなく、適切なRGBチューニングをするための)の実際、といったところをまとめてみたいと思う。

今日の写真のタイトルは「美人塾生と一緒」ご本人の希望ですので。もちろんNikon D70で撮影。

カノッサンの屈辱II

あたしは普段の土日はゆっくり起きる。しかし、今日はそういうわけには行かない。長年おつきあいのあるアートフラワーの先生が主催する教室の発表会があるのだ。知りあって依頼ずっと写真を撮らせていただいている。

今日は久々に“久田”も一緒のロケで朝、9時の撮影開始。練馬まで出向くのも久しぶり。撮影自体は1時間ほどで終了し加藤先生の旦那様、息子さんとお茶を飲んだりしてスタジオに帰る。もともとは旦那様のお仕事がデザイナーで、昔一緒にお仕事をさせていただいた関係だ。実は彼らの息子さんがさんまのからくりTVのあの“加藤さん”だっりする。

“久田”は伝票処理やらトイレ掃除。私はこの1週間で溜まりにたまった画像の処理に入る。1週間で4本の仕事をし、そのうち3本が処理途中でたぐまってしまっていたのだ。(もちろん現像処理などは全て終了しているが、合成、濃度調整がまだだった)

抜糸も終わり、やっと酒も飲める状態になって、久しぶりに腰を落ち着けて飲む事に。

夕方“久田”と落ちあい、うちのすぐ前のそば屋“尾張屋”へ行く。実は今日はあたしの誕生日なので、外でおいしいものを、という事になったのだ。“久田”があらかじめ鴨主体の料理を頼んでおいてくれ、鴨とそばがきのあんかけ、鴨のくし焼き、たたきで始まった。ゆっくり食事をするのは久しぶりで幸せな気分。プレゼントはちあきなおみのバーチャルコンサート2003。これ聞きたかったんだ。もう彼女は歌わないのかなあ。もったいない。たそがれのビギン、朝日の当たる家、スタコイ東京、ラボエームは秀逸。