入稿基準


今日ソニーミュージックエンタテイメントに仕事の打ち合わせに行った。とんでもない事が起こるという予想はしていなかったのだが、何としても日記に書かなくてはならない事態に直面した。
実はCMSに関して今後のソニーミュージックエンタテイメントとしてのガイドライドラインがあるというのだ。あたしはむちゃくちゃ緊張してしまった。過去、何度こういったシーンでトラブルを起してしまった事だろう?

しかし、その説明用のブースに入り、いきなり気が楽になった。ナナオのカラーエッジCG18がおいてあるのだ。Photoshop も全てバージョンを上げたという。(過去はデザイナーさんごとに違うバージョンを使用していた)

さて、その説明は基本的にRGBワークフローを前提として、カラースペースには AdobeRGBを使う。ディスプレイはお互いにハードキャリブレーションし、CMYK変換はプロファイルを持つソニー側が行う。アンシャープマスクはいっさいかけずに、記録画素数のまま入稿する。(必要なシャープネスはその仕事に応じて与える)RAWデータはカメラマンが責任を持って現像する。

という全くもって理路整然としたまじめなワークフローだった。今日はよい日だ。こんなにまともなクライアントさんに出会えた事に乾杯したい。このワークフローなら、あたしたちも撮影に専念できるというものだ。無駄な労力が必要ないという事は仕事の質を上げ、かかる経費の圧縮にもつながる。良い事づくめだ。

ガイドブックやプロファイルも公開しており、(ターゲットプロファイルはソニーさんが通常使用する印刷会社5社の共通プロファイルであり、共通のDDCPに会わせ込んであるというもの。昔はともかく、今ではもう公開してくれる必要もあまりないのだが、これを実践できる、という事は安定した色校正を期待できるわけで、よい事だろうと思う。クローズドに近い環境なら、これも一つの方法だ。出来れば Japan Color 2001 Coated などの汎用ターゲットだともっと嬉しいのだが、いずれ、世の中もまた変わってくる事だろう。)

これらは電塾の地道な努力、APA、MD研究会の運動が実を結んだ結果だといえるでしょう。クライアントさんの方RGBワークフローを提案してくれるという珍しい現実に今日のあたしはとてもうきうき。そういう意味で何としても日記に書かなくてはならない日だったのだ。