Nikon D200のレポートを書いていて思った。
Nikon D2X に勝っている部分はダイナミックレンジだけだ。その他はカメラの造りにせよ、電池のもちにせよ、解像感にしても非常に肉薄してはいるのだが、常に下回る。
おおっと忘れていた。値段ははるかに下回っているのだった。すっかりそれを忘れていた。ついつい、同じ土俵で考えていたのだ。
これはメーカーの考え方の基本姿勢なのではないだろうか?あるいは所信表明のようなもの?。
フラッグシップ機に次ぐサブ機として、あるいはこれまでデジタルに懸念を持っていたユーザーを取り込む意味で最大限、気を使ったのがダイナミックレンジなのではなかろうか?
デジタルカメラから吐き出されるデータで、最も銀塩に追いつけないでいるのがダイナミックレンジ。そして立体感、と言うのか、空気感というのかそんなもの。後者は画素数をあげていけば、どこかで追いつくはずののものだ。前者は、FUJIFILM Fine Pix S3 Pro のみが、それを実現している。
Nikon D200は解像感はそこそこに抑えて(それでも1000万画素)もダイナミックレンジをピックアップしたのだろう。所感ではポジフィルムに匹敵するダイナミックレンジを確保してきたと感じる。これなら(ネガにはかなわないが)ポジフィルムとは同等に評価できそうだ。
その意味で銀塩ユーザーは安心して乗り換える事ができるだろう。値段も銀塩カメラの最高級機種にほぼ匹敵する。ただの暗合ではあるまい。
ほとんどの点でフラッグシップ機にかなわないが、最もウィークポイントになるところをしっかりと押さえている。もちろん、フラッグシップを助ける意味でのサブ機としての機能は充分過ぎるほど持っている。そんな位置づけのデジタルカメラだと思うようになってきた。
最も開発当初から、その位置づけだったかどうかは分からない。作っていたら、こうだった、ってな話もありうるのだが…。
それにしても今の市場的には良くできたデジタルカメラだなあ、と改めて、細かく検証して思った。