夏の大合宿2DAYs in 下呂


 新宿2丁目のオカマバーで朝まで飲んでいたため、重度の二日酔いに襲われながら名古屋に向かった。全くいつまでこんなことをやっているのだか? 新幹線は結構普通に我慢出来たのだが、名古屋駅からのバスが、特に高速を降りてから山道に揺られてどんどんきつくなってきて下呂に着く前にバスの中で“備え付けのエチケット袋”のお世話になってしまった。下呂だけに汚いお話でいきなり恐縮。
 とにかくさっさと風呂に入り、スケジュールを無視して20分程休ませてもらい、少々生き返った。もちろんそんなことにはお構いなしに電塾in 下呂は開始され早川塾長の講演からインプットプロファイルに関するパネルデスカッションにはいり、夕食になり、今回の唯一の娯楽とも言える“形態電話No抽選会に入ったのが、鹿野はどこにいるかわからないほど存在感が無かった。
 実は食事もそこそこにもう一度風呂に入り、今度は1時間半ほどしっかり眠っていたのだ。夜も更け始めたこともあり、これで私は復活を始め、パネルディスカッションの途中には例によって口を挟むほどまで、完ぺきに生き返えることが出来た。
 インプットプロファイル運用に関するパネルディスカッションはその功罪についてさまざまな角度から検証を加えられたが、その有用性までを全て否定は出来ないだろうという結論に落ち着いたように見える。もちろんその作り方、運用方法の危険性を十分に認識した上での利用という大前提がある。また、その成果はあくまで60点と言う合格ラインすれすれであり、もちろんプロファイル変換による諧調崩れを起こしているものを運用出来る範囲内で運用するという条件も見落としてはならない。
 また一口にプロファイルといっても、インプットプロファイルとアウトプットプロファイルはともに同じデバイスプロファイルではあるが、デジカメのインプットプロファイルの性質はプリンタプロファイルの様に1000パッチや2000パッチの細かい色玉を何が何でも目標値まで動かすのではなく、色があっているよりも、色相の方向性と明暗のバランスが整えられ、扱いやすいデータを作ってくれるようなものであれば良い。(バランスが崩れるのなら目標値まで行かなくても構わない)と言う認識が得られた。プロファイルと言ってもその存在のし方にはさまざまな意味合いを持つのだ。
 
 その後二日にわたり、討論されたデジタルデータ運用の問題点、カラーマネージメントに対する、問題意識については皆さん、みごとに、同じ部分を持っているようだ。と言うか、結局行き着くところは一つ、と言う結果を見せてくれたとおもう。ただし、取り組み方にそれぞれ差があるのがよくわかった。その意味で今回の合宿は大きな意味のある物だったといえる。また、実際に、いかにその問題を解決するか、と言う点について小山氏、江口氏から、それぞれのアプローチが紹介されてたのだが、その方法論は、真っ向から対決するようなものであった。こんなに違う考え方を同時に提唱していいのかな、と思わせるほどだ。しかし、よくお伺いしていると、江口氏は雑誌の入稿時の対応でJMPAを準拠してRGB入稿を説き、小山氏はある地域(この場合、岡山)での約束事(ローカルルールといっても良いだろう)を作り上げた上でのCMYK入稿の実際をお話されたのだ。大前提(雑誌入稿とあるルールにのっとった地域)をふまえた上での運用方法の紹介であった。この“大前提”を無視してお話が進むと、同じことを言おうとしても意見のすれ違い、勘違いが起こりやすくなってしまうのだ。さらに両者をつなぐ意味で郡司氏が問題提起として、汎用的な、CMYKプロファイルJapan Color 2001を視野に入れ、RGB入稿のワークフロー検証をもう一度しよう、という提案をされた。ケースバイケースとして、それぞれ正解の方法論であったと思う。これらはそのままでスタンダードになる事は難しいが、、CMYK to CMYK変換の運用によりスタンダードに近い位置に届くのではないか、と考えられる。

 明け方まで宴会になったり、討論会になったりしながら、下呂の電塾は4時まで続き、私はなんと4回目の風呂に入り、男風呂での撮影大会があり、(多分この写真はけっして掲載されないと思う)5時近くに御開となった。