日経新聞ネタ

本来ならフナイ電気がDVDレコーダー業界に参入とか太陽誘電がDVDの月産を2倍にしたとか、じつはPCサーバの出荷数が昨年度3.1%減少しているとかの話題を取り上げるべき所だろうが今日目を引いたのは大田区の中小企業が中心になり、廉価版の水上飛行機を開発しようという動きだ。私の癖で、新聞は最終面から順に読むという悪癖のおかげで、最後に目に飛び込んできたのだが、まともに読む方は当然、最初にひっかかっていることと思う。もともと、川崎重工などの大きな企業、また、零細でありながら、高度な技術の集積した地域、第二次世界大戦中はひそかに零戦のパーツが組み立てられ、深夜に川崎街道を牛車でひそかに運ばれたという(音がしなく、しかも振動も比較的少ないというのがその理由のようだ)日本を代表する基幹技術の集積地である。墨田区などもその範疇に入るのだろうが、(実際細かい技術などは依然この当たりに集約しているようだ)セイコウ社の移転などで今は見る影もない。

大田区、特に鎌田辺りは、いまだにそういった高い技術を持った零細企業が集まっていることは周知の事実だろう。一時の携帯電話の振動モーター然り、水中プロペラの研磨技術然りだ。しかしそれらはあくまで受動的なものだった。今回の記事は底辺から持ち上がった話だいうのがもっとも注目すべき点だと思う。なんと三年計画で水上飛行機を開発、製造、しかも独自のエアラインさえ、念頭に置いているというのだ。(当面は自動操縦の無人艇を開発、その技術を売りながら、実際に創業し、4~5人乗りのレジャー、海難救助、離島などの災害救助を目的とした飛行艇を開発、将来的に80~100人乗りの中型輸送機を念頭に置いているという壮大なものだ。)日本は抱えている人口に比べて、飛行場が異様に少ないのは事実。しかし、天然の良港に恵まれていることも事実。もちろん湖も多く所有している)そして日本は旧くは二式大艇、新明和・海難救助艇(名前が違うかも知れない)P3Cオライオンを始め(古い情報ですいません。たしか今はもっと新しい水上艇が開発されていたはずですがどうにも名前が出てこない)高波高時の水上離発着技術に関しては世界の最先端を行っていたはず。陸地の少ない日本としては、当然着目すべきポイントだろう。

とすると、わざわざ、都内の空撮に調布まで行かなくても、その当たりの岸べから発着できるわけだ。(そんな簡単なもんじゃないか)写真にあまり関係ないかも知れないが、何かわくわくする話だと思いませんか?

つい話がそれそうなのでもとに戻すが、こんな動きが何だかとても頼もしいのだ。日本という国を象徴化しようとか、そういうことではないけれども、戦後の(戦前も含めて)焦った教育の結果、この現状をかんがみて、しかし、それらは何もすべてが失敗したわけではなく、今、このお寒い状況の中からも何とか芽を出そうとしている動きがあること、その種は蒔かれていたこと(実際の思惑とは別に、あるいは少数の方々の本来の思いが)まだまだ頑張ってみる価値が自分たちにはあると(思いたい。いえ、そう信じなくては)感じることの出来るニュースのような気がしたのです。

未来は私たちが開きましょう。お仕着せでも良いじゃありませんか?出来ることが残っているうちは。まだまだ捨てたものではありません。って実はつい最近まで落ち込んでいたのかも知れませんね。
実は今日、最近知りあったサーバ運用とポップデザインをお仕事にしている方とエプソンの唐沢さんと飲んで、良い気持ちでうちに帰り、たまたまこんな記事を見つけてしまったんで、つい一人で盛り上がっているのです。