一時、これこそが次世代の画像処理ソフトだと、Live Pictureに凝っていたことがある。64MBのRAMでさくさく動き、レイヤーという観念をもち、FITSファイルという設計書とI Vewという元画像の組み合わせでさまざまな出力に対応(しかもカラーマネージメントの観念を早くから取り入れていた)したソフトだった。特に合成、[ぼかし]にかけては特筆もので、すべてを「ブラシ」でコントロールするという考え方にすっかり参ってしまっていた。
今ごろそのデータが出てきたが、さてどうしよう。とっくにこのアプリケーションは私のマシンから消えていたのだ。当然OS X では動かないので、久々に出力用に置いてある0S9のマシンにインストールしてみた。G4 450MHzのマシンだが、元気に動く。当然、当時からバッチ処理の機能を持っていたので(やはり先進的なソフトだったと思う)TIFFファイルに書き出すと、今でも文句の無い画像が出力された。
ブラシを持替えるたびにくるくると回るマークに待たされるのが苦痛になり、また特殊な形で保持するFITSファイルが壊れてしまうことがままあったので、いつの間にかバージョンアップを繰り返すPhotoshop に移行していってしまったのだが…。思い返すとLive Pictureに搭載されていた機能はPhotoshop が4,4.5、5とバージョンアップするたびに次々と搭載されていった。ある意味で、Live PictureはPhotoshop にとって数少ない良き目標だっ他のではないかと思う。今ではPhotoshop 以外のソフトはRAWデータのドライバ(それさえもプラグインが代替しようとしている)以外、ほとんど使用しなくなってしまった。
今のうちに、ということで、気になる画像はすべてTIFFに書き出し、バックアップをしていった。デジタルの黎明期はともかく、今後永く画像を保存しようという場合、どう行ったフォーマットで保存するのが良いのだろうか?
保存するためにはスペースを有効活用するために圧縮の技術は不可避だ。しかし非可逆圧縮は出来るだけ避けたい。そのあたりでJpeg2000のやっとの登場は歓迎したいのだが、現状では可逆圧縮は思ったよりも圧縮率が低い。(TIFFのLZW圧縮よりもやや、小さい位か?TIFFで60%だった画像が50%程度にはなった)技術の進歩でこの比率はさらに大きくなるだろう。しかし問題はJpeg2000という規格がパブリックになれるかどうかだ。次代のPhotoshop にはデフォルトで装備されていくのであれば、可能性はあるだろう。リップはこれを食うのか?InDesignは?普遍性というものに思いを寄せると、未来はまだまだ不透明だ。