ラーメンの本竃


 宮城県と岩手県の県境近く、気仙沼と広田の間くらいに(この二つの町は鹿野家がどちらもすんでいたことのある町なのだが)唐桑半島がある。リアス式の海岸線なので海岸線としての景色はかなり期待できる。さらに、ここにの岩石は日本には珍しく、大理石が大量に含まれている。大理石とそれ以外の部分の侵食の差が激しく、そのせいで普通のリアス式海岸より、さらに複雑な地形を形成しているのだ。
 なぜこんなことを書いているのかというと、昨日、ラーメン屋さんの取材で仙台まで行ってきたのだ。撮影が早めに終わったら、唐桑半島まで足を伸ばし、民宿にでも泊まって久々にゆっくり風景でも撮影しようと思っていたのだ。全体の撮影は順調に進んだが、しかし、夕景の撮影に手間取った。日が暮れてなお、形をとらえることのできる絶好のタイミングは17:50ころにやってきたのだ。唐桑まで行く気仙沼線は17:55の発車。タクシーさえ殆どこないバイパス沿いで撮影していたので、今回はあきらめ、すごすごと東京に帰ることにした。当然タクシーは捕まえられず、バスも無く、帰りは岩切駅まで、重い三脚とスタンド、カメラを抱えて歩くはめになった。ま、カメラマンにとって、こんなことは日常茶飯事なのだが。
 今回、近くまで行ってしまったことで、久々にこの半島のことを思い出した。いつか行きたい唐桑半島。魚も旨いし、牡蠣は名物。地のカレイなどほっぺたが落ちるという。もう少し暖かくなったら、ナンとしても行ってみたいものだ。
 とまれ取材した店は行列ができていて、私も1時間ほど並んだのだが、おいしいラーメンを食べることができた。本竃(ほんかまど)という名前の店だった。そのラーメンの写真を掲載。