黙祷…

体重63.2キロ
BMI 22.8
体脂肪率21.6%
内臓脂肪レベル9
骨格筋率30.9
体年齢44
 
日記を書きたくなくて、昨日はパスしてしまった。
このところ早川氏の教えを守って、一日、一つ以上の良いことを探して日記に書くようにしていた。できるだけ悔しかったことや腹が立ったこと等、マイナス要素は外に出さないように。プラス要素を、少しはあたしも人様を元気つけたり、陽気になれる手助けをしたいと…。
 
今日だけはその約束を破ってしまおう。
あたしが大好きな女性に根岸さんというイラストレーターの方がいる。子供とお酒が大好きで、きわめて「きっぷ」の良い姉さんで、初めてお仕事をご一緒させていただいたのはもう20年近く前のこと。そのお仕事は残念ながら無くなってしまったが、私と根岸さんはその後、仲の良い飲み仲間になった。あたしは結構お酒は強い方だと思っていたのだが、彼女はもっと凄い「本マモンのうわばみ」だった。一度たりとも乱れたことはなく、最後までペースを崩さずに飲み続ける本格派。あたしはワインの味は彼女に教えていただいた。しかし、お仕事に対する姿勢は人一倍厳しく、責任感の固まり。自分が指定、指示したことに関しては、絶対の責任を持って実行していた。
彼女は台東区根岸に住んでいた。あたしが練馬の頃はなかなかお会いできなかったのだが…その後あたしも台東区浅草橋に移動。チャリンコで飲みに行ける距離にすんでしまったのが運の尽き。美味しいイタリアンを見つけては速攻で食べに行き、行きつけの寿司屋ではのれんをしまわせて3時過ぎまで宴会。中野にワインの旨い店があると聞きつけては即夜襲をかける日々。お近くに住むことができたのもきっと何かの縁だね。
 
いつも人のことを考え、大事にしてくれるのが根岸さん。人間って鏡みたいなモンで、あたしを好きでいてくれる人はあたしはもっと大好き。あたしに優しくしてくれる人にはいくらでも優しくなれる
22日に一緒に飲もうと約束していたのだが、彼女は現れなかった。直前にお仕事がとても詰まってしまったことのメールがあり、「いけないかもしれない」といわれていたので、たぶんお忙しいのだろうと思っていた。
 
昨日になって共通のお友達から電話。その根岸さんが、この年の暮れにひっそりと無くなってしまったという。もうご一緒にビールとワインと、最近お気に入りのピートの香りが聞いたアイラ系のウィスキーをこれでもかとやっつける事ができなくなってしまった。
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実はあたしは未だに実感をわかせることができない。理不尽だと一人で怒っている。怒鳴っている。気がついたら昨日は東大宮でとっくに終電がないのに飲んでいた。何の意味があるのかしら?何とか、心のバランスを取ろうとしているのだが…
 
今日だけは日記に恨み言を。
なぜ運命はこんなに理不尽なの?
神様はただの気まぐれで人の幸せを奪うの?
何で彼女がたった一人で寂しく死ななければならなかったの?
根岸さんがもうこの世にいないなんて納得していないし、実感もわいていないのだが、時々悲しさが火山の噴火のようにおそってくる。

今はまだ、ありがとうなんて言えもしない。せめてあの世で、先に行った若竹のマスターの尻を蹴飛ばしてお寿司を握らせていればいいのになあ。きっとあたしもその仲間入りをしに、行くの。何時のことかわかんないけど。

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そういえば“ぺこ”を拾ったばかりの時も根岸さんがいた。撮影の間中“ぺこ”を膝の上で抱いていてくれたっけ。あれは1997年の初夏の思い出。その“ぺこ”も今では12才のおばあちゃんになってしまった。酔っぱらってタクシーで朝帰りしたあたしを今朝はずっと舐め続けてくれた…。