そして長崎


8時半に起きだし、シャワーを浴びてチェックアウト。博多駅10時初の「かもめ13号」に乗り込んだ。とてもゆったりしたきれいな車両でシートが合成だが革張りなのに驚く。特にデッキ、トイレ部分の作りはなかなかよろしく、携帯電話を使うためのブースまで用意してあった。車窓からは満開の菜の花畑が見えた。

今日は長崎の浦上にある長崎大学をお訪ねする。長崎には何度か足を運んでいるのだが、浦上にくるのは初めて。私の阿佐ヶ谷美術学園時代の恩師、井川先生がいらっしゃるのだ。うーん30年以上前のはなしになるんだな…。「かもめ13号」は12時ちょっと前に浦上駅に到着。元学生と院生の方と車で駅までお迎えをしていただいた。時間的にもお昼ということで、「そば幸」というお店で天ぷら蕎麦をいただく。春の野菜の天ぷらがとてもおいしいお店だったが、込んでいて、ちょっと待たされた。ま、おいしいお店は混むのだろう。

浦上天主堂の爆風で吹き飛ばされた大屋根や古いレンガを拝見し、爆心地の公園のモニュメントのいわれ、また井川先生の作品であるモニュメントなどを撮影した後、長崎大学の井川研究室へ。研究室というよりも、倉庫で、知らない人が見たらばゴミの山と思うだろう。古い…壊れたピアノや拾ってきた剥製、流木、こんにゃく瓦(あたしも初めて聞いたけどほとんど四角い瓦)の欠けたやつ、壊れたレンガ、果ては人体標本…。あたしもそんなゴミ拾いが得意だが、ここまでではない。もちろんこれらは、磨かれ、彩色されて作品としていずれの日にかよみがえるのだが…。

お話をしていると、明日からグループ展があり、本日はその搬入、セッティングの日だというので、私もお邪魔を承知で同行させていただく。久しぶりに現代美術に触れ、作家たちと交流できたのも大きな収穫。どうも三日間続いたセミナーで、(というよりも日、月、水、木、金、土と続いた宴会の所為か?)声は枯れ、体も疲れきっていたせいか、いつも通りの元気が出ない。その後皿うどんやチャンポンで早めの夕食をいただき、そのまま空港まで送っていただいた。皆様に心から感謝。

ANAの機内に置かれている通販雑誌を何となく見ていたら、面白い鞄を見つけてしまった。…なんてあたしはかばんが好きなだろう?フェールラーベンというスウェーデンのアウトドア用品メーカーのリュックで、フレームがアルミで作ってあって、その上に100キロの加重を欠けても問題ないというもの。深く四角い格好をしているので、内側のしきりを工夫すれば、カメラバックとしても活用できそうな気がする。実物を一度見てみたい。