あたしの帽子

 土曜日は疲れ切って起きられない。やっと午後になって起き出し、私のガールフレンド、根岸さんや森さんのグループ展を見に行く。運良く皆と合流でき、いつもの通り、飲みに出かける。とはいってもメンバーの半分は飲酒不可。あたしと根岸さん、新人の女の子の三人でひたすら飲み、焼き、食っている。今日は皆バてばてらしく、珍しく11時前に御開となった。
 ま、飲み会の話題はともかく、展示されている人形がすごい。何がすごいって、その仕上がり、センス、バランス…。根津の小さな雑貨屋さんに置いておくのはあまりにもったいない。何かもっと大きな、というか多くの方の目に留まるようなところに置きたいとあたしの女房がしきりに言っておった。あたしも同感。(別にその雑貨屋が悪いというわけではない。ただ、来店してくださる方の数が…ということで、あたしもその雑貨屋は気に入っており、行くたんびに何か見つけては購入しているのだ。
 こういった才能のある人を見つけることができるのはうれしいことだ。でも、その才能を伸ばすというのは多くの目に触れる、ということにつながるのではないだろうか?その辺りに実力の無いあたしは、せっかくこんなもの(人)を見つけたのに…と悲しくもなる。もっとも本人はそんなあたしたちの言葉は何処吹く風で、好きなモンを好きなだけ作ってと自然体だ。
 最近あたしは帽子をかぶることが増えている。実はこの帽子はその森さんという彼女が作ってくれるもので特別あつらえ。坊主にしてから、冬場がつらかったのだが、これで何とかしのいでいけそうだ。