等身大画像その1

ある雑誌の読者プレゼントで、等身大ポスターを作っている。顔の大きさや足の長さ、全身の身長のバランスも正しく再現したいとのことで、ポジから起こしたデータの修正をしなければならない羽目になった。もとの写真は多分、かなり高い位置(顔辺り)から、しかも標準レンズか、よくても少々長めのレンズで撮影されていた。当然プロポーションのバランスが崩れている訳だ。しかも元のポジはどうも6×4.5らしく、髪の毛や目鼻などは全く解像していない。どうもやり切れない仕事だった。

その修正はさておき、さてどうしたらまともに写るのか、という相談を別に持ちかけられた。通常等身大ポスターと言えば、1ないし2mははなれて鑑賞する物だ。つまり、6×8程度のフィルムサイズであれば、問題ないかもしれない。しかし、これに限って言うと、読者は狭い部屋に貼り、ほおずりするように鑑賞するものと思われる。つまり至近距離で観察しても、離れて観察しても、解像しており質感のよい物を求められる訳だ。

4×5で長めのレンズをフォールダウンしながらとればよい、という案はあっさり蹴られ、(値段の問題のようだ)それではCANON EOS 1Dsの画像で比較してみようということになった。

準備したレンズはもうその実力を知っている90mmShift。もう一本は135mmF2。さて比較した解像感は私の予想ではレンズ単体での解像力の高い90mmの勝ちだったのだが、実際には135mmの方に軍配が上がった。その理由はデータを解析してみると、一目瞭然だった。問題はピントなのだ。90mmShiftでは、マニュアルフォーカスになる。私の実力、+デジタルゆえのピント一の問題だろう。135mmは全てオートフォーカスを使用したため、どのカットも素晴らしい合焦精度を示していたのだ。

その結果、最終的に解像勘の良かったのは、135mmF2のレンズだった、という訳だ。(もっとも、ここまで拡大しなくてははっきりとは言えないだろう)

データは200%拡大し、微調整。さらに必要な寸法まで拡大し(エプソンのPX9000での出力なので、解像度は200dpi)プリントアウトした。
比較用に6×4.5にいっぱいいっぱいに撮影した画像をスキャニングして(3200dpiでスキャンしたら、すでに粒子が確認されている。思いついて、新機種のX900m,これが4800dpiなのだが、結果としてはこちらの方が遥かに精度が高かった。フラットベッドスキャナと言えども恐ろしい性能を身に付けてきた物だ。)

さて、実際の比較は第二部で