うれしくてうれしくてしょうがないことがある。とてもうれしいのだが、あまり話題になっていない(というか冬休みに重なってしまったということもあるだろうが)ので少々取り上げてみたい。
昨年の発表なのだが、ニコンは AF-S DX Zoom Nikkor 12~24mmF4G(IF) という超広角レンズの開発を発表した。ついに、ついに、という感じだ。APSサイズのCCDを持つデジタルカメラの最後の弱点を克服しようというねらいだろうが気になったのはもっと根本的な部分だ。イメージサークルの問題もあるのだろうが、デジタル専用レンズという部分が最も気なる。デジタル専用のレンズという要求はデジタル開発の黎明期から存在していたが、いくつかの理由が重なり、ついに開発に入ったのだと思うと感慨深いものがある。
その一つは先程のAPSサイズゆえの画角の問題。これでニコンさんは当分APSサイズにこだわるという姿勢を前面に押し出したのだろうか?。
第二に受光素子の超微細化に伴い、従来の解像能では画像解析力にレンズが追いついていかなくなり出した、という事実があるのではないだろうか?
第三に銅鏡内部の反射や、焦点を結ぶ位置の問題などがアナログに比べ遥かにシビアになり今まではそれでも無視しても構わないレベルだったものが、解像感の向上により、いい加減に無視できなくなったのではなかろうか?
第四に、このレンズを出荷しても十分にペイできるだけのそのレンズを受け入れるボディがすでに市場に出回った、(あるいはその数に到達するという見込みができた)という理由も見え隠れする。何しろ、 FUJIFILM Fine Pix S2 Pro やコダック製のデジカメにももちろん搭載できるのだ。
何れにせよ、この開発発表はついにデジタルがメーカーにも、ユーザーにも完ぺきに受け入れられる時代が来たのだと言うことをはっきりと指し示しているように思えてならない。他社もこの動きに追随するのは確実だ。(というよりきっとすでに準備しているに違いない)
35mmデジタルカメラを牽引してきたニコンがこの開発発表によってはっきりとメーカーとしての姿勢を打ち出したのだ。(もちろんニコンに何を確認したわけではなく、私が勝手に感じているのだが) 夢にまで見たデジタル専用レンズ。デジタルのために、隅々まで鍛え上げられたレンズの登場を心から歓迎したい。
そういえばつい最近までニコンさんは別ラインのレンズを発売することの難しさを、キヤノンさんはフルサイズの受光素子をカメラに乗っけることの難しさをしきりに強調していたものだが、あっさりとこの辺りをクリアーしてきたなあ。どこのメーカーもまだまだ隠し球をいっぱい持っているんだろうなあ。 楽しみ楽しみ。